
「看護師が病院以外で働く場所はあるのか」「病院から転職したいけど、どの職場を選べばよいのか」「看護師の資格を活かして、もう少し落ち着いて働きたい」と考える方は少なくありません。
結論から言うと、病院以外で働いている看護師は約3人に1人います。厚生労働省の統計では、就業看護師1,363,142人のうち病院勤務は895,944人。残りの467,198人は、診療所、介護施設、訪問看護、企業などで働いています。
ただし「病院以外」とひとくくりにはできません。職場ごとに変わるのは、次の5つです。
【職場ごとに変わること】
・夜勤とオンコールがあるかどうか
・医療処置をどこまで行うか
・土日に働くかどうか
・年収がどう動くか
・そもそも求人が出るかどうか
産業看護師のように、人気があっても全国で6,000人に満たない職場もあります。狙いどころを外すと、転職活動そのものが半年、1年と伸びていきます。
この記事では、実際の統計をもとに病院以外の職場を13か所、求人が多い順に並べます。それぞれ、夜勤とオンコールの有無、病院と比べて給与がどう動くか、求められる経験まで書きました。病院を離れたい理由が「忙しさ」なのか「夜勤」なのか「患者対応の重さ」なのかで、選ぶべき転職先は変わります。
病院以外で働く看護師はどれくらいいるのか
職場を比べる前に、実際の人数を見ておきましょう。求人の出やすさは、その職場で何人が働いているかにほぼ比例します。
厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(令和6年末現在)による、就業場所別の就業看護師数は次のとおりです。
| 就業場所 | 実人員 | 構成割合 |
|---|---|---|
| 病院 | 895,944人 | 65.7% |
| 診療所 | 194,665人 | 14.3% |
| 介護保険施設等 | 107,984人 | 7.9% |
| 訪問看護ステーション | 91,022人 | 6.7% |
| 社会福祉施設 | 28,093人 | 2.1% |
| 看護師等学校養成所又は研究機関 | 16,790人 | 1.2% |
| 市区町村 | 8,035人 | 0.6% |
| 事業所 | 5,879人 | 0.4% |
| 保健所 | 1,555人 | 0.1% |
| 都道府県 | 1,205人 | 0.1% |
| 助産所 | 220人 | 0.0% |
| その他 | 11,750人 | 0.9% |
| 総数 | 1,363,142人 | 100.0% |
出典:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」表2(2026年9月確認)
この表からは、求人を探すうえで役に立つことが3つ読み取れます。
【データから分かること】
・病院以外で働く看護師は467,198人(34.3%)=約3人に1人
・そのうち診療所・介護保険施設等・訪問看護ステーションの3つで393,671人=病院以外の約8割
・企業の健康管理室にあたる「事業所」は5,879人(0.4%)=全国でこの人数しかいない
僕のところに来る相談でいちばん多いのは、産業看護師や大学の保健室を第一希望に据えているケースです。気持ちはよく分かります。ただ、企業の健康管理室で働く看護師は全国で5,879人しかいないので、そこだけを見て求人サイトを開いても、当然ながら候補はほとんど出てきません。
逆に、診療所・介護保険施設・訪問看護は求人が動き続けている領域です。あなたが病院を離れたい理由が夜勤や急性期の忙しさであれば、この3つの中に答えがあることのほうが多いと思っています。
病院以外はパート・時短の割合が高い
同じ表には、実人員のとなりに常勤換算数という数字も載っています。ここを見ると、求人票を見るときの注意点がもう1つ出てきます。
常勤換算とは、短時間勤務の人を勤務時間の比率で数え直した値です。実人員1人あたりの常勤換算値を計算すると、病院は0.96。これに対して診療所は0.81、介護保険施設等は0.82、訪問看護ステーションは0.87、社会福祉施設は0.83でした。
つまり、病院以外は1人あたりの勤務時間が短い職場が多い。パート、時短、非常勤の割合が病院より高いということです。実際、病院以外の看護師は実人員では34.3%を占めますが、常勤換算では31.1%まで下がります。
この差は、求人を見るときにそのまま効いてきます。「病院以外の求人がたくさんある」と思って探し始めても、常勤の正社員求人に絞った瞬間に候補が減る職場があるからです。フルタイムで働きたい方は、検索条件に雇用形態を入れた状態で件数を確認してください。
看護師が病院以外で働ける職場13選【求人が多い順】
ここからは、病院以外の職場を13か所、上の統計の受け皿が大きい順に並べます。人気順ではなく求人の出やすい順にしたのは、実際に転職できるかどうかがそこで決まるからです。
まず全体を見比べてください。
| 職場 | 全国の就業者数 | 夜勤・オンコール | 病院と比べた給与 | 向いている方 |
|---|---|---|---|---|
| 一般のクリニック | 194,665人(診療所) | 原則なし | 下がりやすい | 日勤で働きたい |
| 美容クリニック | 診療所に含む | なし/土日祝は勤務 | 上げられる余地あり | 年収を上げたい |
| 健診センター | 病院・診療所に分かれる | なし | 下がりやすい | 予定が読める仕事がよい |
| 介護施設 | 107,984人 | 施設による | 夜勤ありなら維持しやすい | 高齢者看護に関わりたい |
| 訪問看護 | 91,022人 | 夜勤は少なくオンコールあり | 手当ぶんは戻る | 臨床スキルを活かしたい |
| 保育園・幼稚園 | 28,093人(社会福祉施設) | なし/土日休みが多い | 下がりやすい | 子どもと関わりたい |
| 障害者福祉施設 | 28,093人(社会福祉施設) | 施設による | 施設による | 生活支援に関わりたい |
| 看護学校・大学の教員 | 16,790人 | なし | 学校の給与規程による | 教える仕事がしたい |
| 自治体・保健所 | 10,795人 | なし | 自治体の給料表による | 雇用の安定を優先したい |
| 企業の健康管理室 | 5,879人(事業所) | なし/土日祝休み | 企業の賃金制度による | 相談と事務に寄せたい |
| 医療機器メーカー | 事業所に含む | なし/出張あり | 上げられる余地あり | 人前で説明するのが苦でない |
| 治験コーディネーター | 事業所などに分散 | なし/土日休み | 企業の賃金制度による | 調整と文書作業が得意 |
| 学校の保健室 | 統計上は分散 | なし/長期休暇あり | 学校の給与規程による | 学生の対応に関心がある |
「病院と比べた給与」は、金額そのものではなく動く方向を書いています。理由は単純で、病院の給与には夜勤手当が乗っているからです。そこを外すと下がり、代わりにオンコール手当やインセンティブが乗ると戻る。金額の作り方は「病院以外に転職すると年収はどう変わるのか」で数字を出して整理します。
1:一般のクリニック
一般のクリニックは、病院以外の転職先として最も検討しやすい職場です。診療所は、入院設備がない、または19床以下の医療機関を指します。就業看護師の14.3%が働いており、病院以外では最大の受け皿です。
<主な仕事内容>
問診、診療補助、採血、点滴、バイタル測定、検査補助、ワクチン接種、患者対応、予約管理、院内清掃など。
求められる経験は、採血、点滴、注射を1人で回せることです。人数が少ないぶん、先輩に確認しながら進める余裕は病院ほどありません。
夜勤がない職場を探す方や、診療時間が固定された環境で働きたい方に向いています。ただし、少人数の職場では受付や事務作業まで担当することがあります。院長やスタッフとの相性も働きやすさに直結するため、面接時の雰囲気を見ておきましょう。
給与は下がりやすい職場です。夜勤手当がなくなるうえ、賞与の実績が病院より小さいクリニックもあります。基本給だけでなく、賞与が直近何カ月ぶん出ているかを聞いてください。
2:美容クリニック
美容クリニックは、美容皮膚科や美容外科で施術の補助や患者対応を行う職場です。自由診療のメニューが多く、インセンティブや売上目標を設けているクリニックもあります。統計上は「診療所」に含まれます。
<主な仕事内容>
カウンセリング補助、医師の施術補助、レーザー照射や点滴、術後ケア、機器の消毒・管理、予約や電話対応など。
求められるのは医療処置の経験より、接遇と説明の力です。病棟経験が短くても採用される求人があるのはそのためです。
年収を上げたい方、接遇や美容医療に関心がある方には合う可能性があります。一方で、土日祝日の勤務や営業的な提案が発生する職場もあります。給与だけで選ばず、ノルマの有無、インセンティブの計算方法、残業時間を確認しておきましょう。美容業界の求人に特化したサービスもあるので、美容外科求人ガイドの口コミと評判もあわせて見ておくと比較しやすくなります。
病院以外で年収を上げやすい数少ない職場ですが、上がるのはインセンティブが出た場合です。固定でいくら入るのかを先に確認してください。
3:健診センター
健診センターは、健康診断や人間ドックを行う職場です。予約制で進むことが多く、急変対応よりも正確な検査補助や採血の手技が求められます。運営形態によって、統計上は病院にも診療所にも入ります。
<主な仕事内容>
問診、採血、血圧測定、身体測定、検査補助、ワクチン接種、健診結果の確認補助、受診者への案内など。
採血の手技が評価の中心になります。1日に何十人も続けて採血するので、ここに苦手意識があるとつらい職場です。
ルーティン業務が得意な方、夜勤のない職場を探す方に向いています。一方で、健診が集中する時期は1日の採血人数が大きく増えます。淡々と作業できるか、繁忙期の残業がどの程度あるか、巡回健診のバス乗務があるかを見ておきましょう。
給与は下がりやすい職場です。夜勤も、オンコールも、インセンティブもないぶん、上乗せされる手当がほとんどありません。
4:介護施設
介護施設では、入居者や利用者の健康管理を担当します。特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、デイサービスなど施設の種類によって、医療処置の多さや勤務時間が変わります。統計上の「介護保険施設等」は107,984人で、病院以外では診療所に次ぐ規模です。
<主な仕事内容>
バイタルチェック、服薬管理、褥瘡や皮膚トラブルのケア、急変時の判断、医師との連携、介護職員への情報共有など。
医師が常駐していない施設が多いので、急変の場面で受診させるかどうかを自分で判断できることが前提になります。
高齢者看護に関心がある方、病院より生活に近い場で働きたい方に向いています。介護職との役割分担があいまいな施設では負担が増えやすいため、看護師の配置人数、夜間対応、介護業務の範囲を確認してください。デイサービスなら夜勤なし、特養や老健なら夜勤やオンコールありというように、同じ「介護施設」でも中身が違います。
給与は、夜勤やオンコールがある施設を選ぶかどうかで変わります。夜勤ありの特養や老健なら病院の水準を保ちやすく、デイサービスに移ると手当ぶんは落ちます。
5:訪問看護
訪問看護は、利用者の自宅や施設を訪問し、主治医の訪問看護指示書に基づいてケアを行う仕事です。訪問看護ステーションで働く看護師は91,022人で、前回調査(令和4年)から増え続けています。病院以外でも臨床経験を活かしやすい職場です。
<主な仕事内容>
健康状態の観察、服薬管理、点滴やカテーテル管理、褥瘡ケア、療養指導、家族への説明、医師やケアマネジャーへの報告など。
基本は1人で訪問するので、判断を1人で背負える経験が求められます。ただし同行期間を長めに取る事業所もあり、経験が浅くても受け入れる求人はあります。
利用者とじっくり関わりたい方、在宅医療に関心がある方に向いています。夜勤は少ない一方でオンコールの回数や緊急訪問の有無は事業所ごとにまったく違うので、入職前に月のオンコール回数、実際の出動頻度、1日の訪問件数、オンコール手当の金額まで具体的に聞いておいてください。ここを飛ばすと「夜勤はないのに休めない」という状態になります。
給与は、オンコール手当が乗るぶん病院の水準に近づきます。病院以外で収入を落としたくない方が最初に見る職場です。
6:保育園・幼稚園
保育園や幼稚園では、園児の体調管理やけがの応急処置、感染症対策を担当します。医療処置よりも、子ども・保護者・保育士との連携が中心になります。統計上は「社会福祉施設」に含まれ、この区分全体で28,093人です。
<主な仕事内容>
園児の健康チェック、けがや体調不良時の対応、感染症対策、保健だよりの作成、健康診断の補助、保護者への連絡など。
小児科経験を必須にしていない求人も多く、新卒を受け入れる園もあります。ただし看護師が1人だけという配置は珍しくないので、判断に迷ったときの相談先は聞いておきましょう。
子どもと関わる仕事がしたい方には合う可能性があります。求人数は多くないため、保育園看護師を狙うなら複数の転職サイトで求人を拾い、自治体や法人の採用ページも確認してください。
給与は下がりやすい職場です。夜勤がなく土日休みという条件と引き換えになります。園によっては保育業務も担当するので、看護以外にどこまで受け持つのかを面接で聞いてください。
7:障害者福祉施設
障害者福祉施設では、利用者の健康管理や医療的ケアを行います。理学療法士、作業療法士、生活支援員、医師などと連携しながら、日常生活を支える仕事です。保育園と同じく「社会福祉施設」に含まれます。
<主な仕事内容>
健康状態の観察、服薬管理、医療的ケア、けがや体調不良時の対応、生活支援員への共有、家族や医療機関との連絡など。
医療的ケア児・者を受け入れる施設では、喀痰吸引や経管栄養の管理を日常的に行います。求められる判断力は施設によって大きく変わります。
福祉領域で長く働きたい方、利用者の生活に近い場所で支援したい方には合う可能性があります。対応する医療行為の範囲と、判断に迷ったときに相談できる医師や看護師がいるかを確認してください。
給与は施設の形態しだいです。入所施設で夜勤があるところと、通所だけのところでは手当の付き方が変わります。
8:看護学校・大学の教員
看護師を育てる側に回る道もあります。統計上の「看護師等学校養成所又は研究機関」は16,790人で、病院以外では社会福祉施設に次ぐ規模です。求人が少ないと思われがちですが、実際は企業の健康管理室の3倍近い人数が働いています。
<主な仕事内容>
講義と演習、実習の引率と指導、シラバスや教材の作成、学生の成績管理と個別面談、実習先の病院との調整、入試や広報の業務など。
ここは応募資格がはっきり決まっています。厚生労働省「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」では、看護師養成所の専任教員になれるのは、保健師・助産師・看護師として5年以上業務に従事し、かつ専任教員養成講習会などの研修を修了した方とされています。専門領域の業務に3年以上従事した方で、大学で教育に関する科目を履修して卒業した場合や、大学院で教育に関する科目を履修した場合も対象です。
出典:厚生労働省「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」(2026年9月確認)
教えることに関心がある方、臨床で積んだものを次の世代に渡したい方に向いています。夜勤はありませんが、実習期間は朝から病院に入るので、日中の拘束は長くなります。学生の記録物を持ち帰るかどうかも聞いておきたいところです。
給与は学校の規程しだいです。県立や市立の養成所なら自治体の給料表、大学なら教員の給与表が適用されます。臨床に戻る前提がある方は、教員として在職した期間が病院の経験年数として換算されるかを、戻り先の候補で先に確認しておいてください。
9:自治体・保健所
自治体で働く看護師もいます。市区町村が8,035人、保健所が1,555人、都道府県が1,205人。合わせて10,795人で、企業の健康管理室の2倍近い規模です。
<主な仕事内容>
乳幼児健診や予防接種の運営、健康相談、感染症の発生時対応、健康づくり事業の企画と実施、関係機関との連絡調整など。
応募資格の欄を先に見てください。募集によっては保健師資格を条件にしているところがあり、看護師免許だけでは応募できない枠もあります。
雇用の安定を優先したい方、地域の予防や健康づくりに関わりたい方に向いています。夜勤はなく、勤務時間も読みやすい職場です。
求人は自治体の採用情報ページや人事委員会の募集で出ます。転職サイトの検索では見つけにくい職場なので、住んでいる自治体のページを定期的に見ておきましょう。商業ベースの転職サイトとは求人の出どころが違うので、都道府県の看護協会が行う無料の職業紹介もあわせて見ておくと取りこぼしが減ります。使い勝手はeナースセンターの口コミと評判で確認してください。
10:企業の健康管理室(産業看護師)
産業看護師は、企業の健康管理室や医務室で働く看護師です。社員の健康管理やメンタルヘルス対策に関わるため、病棟のような処置よりも相談対応や事務作業の割合が高くなります。統計上の「事業所」にあたり、全国で5,879人。就業看護師全体の0.4%です。
<主な仕事内容>
健康診断の準備・結果フォロー、社員の健康相談、応急処置、ストレスチェック対応、産業医との連携、休職・復職支援の補助など。
募集要項で保健師資格や産業保健の実務経験、資料作成レベルのPCスキルを求められることもあります。看護師免許だけで応募できる求人は、この中でもさらに少なくなります。
土日祝日休みや企業勤務を希望する方には魅力があります。ただし上の人数が示すとおり枠そのものが非常に少ないので、産業看護師だけに絞らず、健診センターやCRCなど「患者対応から距離を置ける職場」を並行して見ておく方が現実的です。看護師の一般企業への転職については、「看護師転職サイトおすすめランキング15選」もご覧ください。
給与は企業の賃金制度で決まります。夜勤手当が消えるぶん下がる方もいれば、大手企業の総合職水準に乗って上がる方もいて、病院からの動き方は一定しません。
11:医療機器メーカー(フィールドナース)
フィールドナースは、医療機器メーカーなどで製品説明や導入支援を行う仕事です。クリニカルスペシャリスト、クリニカルコーディネーターと呼ばれることもあります。
<主な仕事内容>
医療機器の説明、デモンストレーション、導入後のフォロー、医療従事者向けの研修、営業担当との同行、現場の声の共有など。
企業によっては手術室やカテーテル室、透析室の経験を条件にしています。自社製品が使われる現場の経験がそのまま応募資格になる、という考え方です。
臨床経験を企業で活かしたい方、人前で説明する仕事が苦ではない方に向いています。病院勤務の夜勤はなくなりますが、出張や外勤、営業担当との連携が発生します。土日休みだけでなく、担当エリアの広さ、月の出張日数、残業の出方も確認しましょう。
給与は上げられる余地があります。営業職に近い評価制度が乗る企業が多いためです。固定給と評価によって動く部分の比率を、内定前に確認してください。
12:治験コーディネーター(CRC)
治験コーディネーターは、CRC(Clinical Research Coordinator)とも呼ばれます。治験に参加する患者や医療機関、製薬会社側の担当者と連携し、治験が計画通りに進むよう調整する仕事です。
<主な仕事内容>
被験者への説明補助、同意取得のサポート、来院スケジュールの調整、検査データの確認、医師やモニターとの連絡、文書管理など。
臨床経験に加えて、文書を正確に扱う力とスケジュール管理の力が見られます。未経験可の求人もありますが、入社後の研修と認定試験が待っています。
夜勤を避けたい方、医療知識を活かしながら事務・調整業務に移りたい方に向いています。患者対応はありますが、病棟看護とは仕事内容が大きく変わります。年収や評価制度、担当施設への外勤がどのくらいあるかを事前に確認しましょう。企業所属のCRCは異動や担当変更もあるので、勤務地の範囲も聞いておきたいところです。
給与は所属先の賃金制度で決まります。企業の等級制度に乗るので、入社時の年収より数年後の上がり方を聞いた方が判断しやすくなります。
13:学校の保健室
学校の保健室で働きたい方は、免許の条件を先に確かめてください。ここは看護師免許だけでは入れない場合があります。
<主な仕事内容>
体調不良やけがの応急処置、健康相談、健康診断の補助、感染症対応、医療機関への受診案内、学内関係部署との連携など。
小学校・中学校・高校の保健室の先生は養護教諭で、養護教諭免許状が必要です。教育職員免許法別表第2により、保健師免許を持つ方は養護教諭二種免許状の授与を申請できますが、日本国憲法・体育・外国語コミュニケーション・情報機器の操作などの科目を各2単位以上修得しているかを確認されます。修得していない単位があれば、大学等で取り直すことになります。申請先と必要書類は都道府県の教育委員会で確認してください。
一方、大学の保健室(保健管理センター)は養護教諭免許を求められません。学生や教職員の健康相談、応急処置、健康診断の対応を行い、大学によっては英語対応やメンタルヘルス相談の一次対応を任されることもあります。
学生の対応に関心がある方、日勤中心の働き方を希望する方に向いています。ただし採用枠が少なく、欠員が出たときにしか募集がかかりません。大学の採用ページに直接掲載されることも多いので、志望校がある方は定期的に見ておきましょう。
給与は学校の規程しだいです。夜勤はなく、学校の長期休暇に合わせて業務が落ち着く時期があります。
看護師資格が使える珍しい求人
「もっと違う働き方がしたい」と考えている方に向けて、求人数は少ないものの看護師資格が活きる仕事をまとめます。どれも常時募集がかかる職場ではありません。見つけたときに動けるよう、条件だけ先に把握しておいてください。
1:ツアーナース・イベントナース
修学旅行や合宿、スポーツ大会、音楽フェスなどに同行し、参加者のけがや体調不良に対応する仕事です。単発や数日単位の募集が中心で、日給制の求人が多くなります。
本業と組み合わせて経験する方が多い働き方です。単独で判断する場面があるため、応急処置や急変時の初期対応に慣れているかが前提になります。募集は春と秋の学校行事シーズンに集中するので、派遣登録型のサービスに先に登録しておくと声がかかりやすくなります。
2:医療系コールセンター
健康相談窓口、受診案内、製薬会社や医療機器メーカーの問い合わせ対応など、電話やチャットで応対する仕事です。「看護師 自宅でできる仕事」で探している方の現実的な選択肢がここになります。
業務がパソコンとヘッドセットで完結するため、在宅勤務が可能な求人もあります。ただし、研修期間だけは出社が条件というケースが多いので、募集要項の「在宅可」がいつからなのかを確認してください。臨床経験そのものより、相手の話を整理して要点を返す力が見られます。
3:刑務所・少年院などの矯正施設
刑務所や少年院で受刑者・在院者の健康管理を行う看護師は、法務省の法務技官として採用される国家公務員です。給与や休暇は公務員の制度に基づきます。
募集は施設ごとに不定期で、転職サイトに出ないこともあります。法務省の矯正職員採用ページには刑務官や法務教官の採用試験が中心に載っており、看護師の枠はここに常時出ているわけではありません。狙うなら、勤務を希望する地域の矯正管区や個別の施設が出す募集を直接あたってください。処遇や職務内容は一般の医療機関と違うので、応募前に募集要項をよく読んでおきましょう。
4:トラベルナース(応援看護師)
人手が足りない地域や施設に、数カ月単位で赴任する働き方です。住居の用意や赴任手当がつく求人もあり、短期間で収入を上げたい方に選ばれています。
即戦力を求められるため、一定の臨床経験が前提になります。契約期間が終わるたびに次の勤務先を探すことになるので、腰を据えて1つの職場で働きたい方には向きません。契約更新の考え方と、期間終了後のサポートがあるかを先に聞いておきましょう。
目的別に見る病院以外の職場
ここまで13の職場を並べましたが、全部を比べる必要はありません。病院を離れたい理由から逆に引くと、候補は一気に絞れます。
1:夜勤をなくしたい方
クリニック、健診センター、デイサービス、保育園、企業の健康管理室が候補です。ここで気をつけたいのは、夜勤とオンコールが別物だということ。
訪問看護と入所型の介護施設は「夜勤なし」と書かれていても、オンコール当番で待機する日があります。夜に呼ばれたくないのであれば、求人票の夜勤欄ではなくオンコールの有無で絞ってください。
2:年収を上げたい方
候補になるのは美容クリニック、訪問看護、フィールドナースです。この3つが高いのには理由があって、美容クリニックはインセンティブ、訪問看護はオンコール手当、フィールドナースは営業職に近い評価制度が上に乗っているから金額が伸びます。
つまり、上乗せぶんは条件とセットで手に入ります。求人票の年収例が高いときほど、その金額の内訳を先に聞いてください。基本給がいくらで、変動する部分がいくらなのか。ここを分けずに見ると、入職後に「思っていた額と違う」となります。
3:のんびり働きたい方
のんびり働きたいなら、職場名だけで判断しないでください。同じクリニックでも予約制の美容皮膚科と繁忙期の内科では忙しさがまったく違いますし、同じ介護施設でも医療依存度が高い施設とデイサービスでは1日の動き方も、求められる判断の重さも別物になります。
見るべきは名称より条件です。夜勤なし、予約制、急変対応が少ない、残業が少ない、看護師が複数名いる、教育体制がある。この組み合わせで探すと、当たり外れがぐっと減ります。
【落ち着いて働きたいときに聞くこと】
・1日の患者数・利用者数と、直近3カ月の平均残業時間
・看護師の配置人数と、急変時に判断する人は誰か
・予約制か、飛び込み対応があるか
・繁忙期がいつで、そのときの残業はどのくらいか
・前任者が辞めた理由
候補として挙がりやすいのは健診センター、大学の保健室、保育園、予約制のクリニックです。収入も落としたくないなら、美容クリニックや訪問看護も比較対象に入れてください。
4:在宅・自宅でできる仕事を探す方
自宅でできる仕事としては、医療系コールセンター、オンライン健康相談、医療系記事の監修や執筆補助があります。数は多くありませんが、実在する働き方です。
注意したいのは、フルリモートの求人が一年中出ているわけではない点です。募集が出た瞬間に応募が集まります。希望条件を登録しておき、担当者に「在宅可」「フルリモート」と具体的に伝えておくと、出たときに連絡が来ます。
5:看護師以外の仕事も考えている方
「看護師以外の仕事がしたい」と感じている方は、資格を完全に手放す前に、自分の医療知識が武器になる企業系の職種を見てください。一般事務や未経験の職種へ移るより、産業看護師、CRC、フィールドナース、医療系コールセンターの方が、これまでの経験を評価してもらえる可能性があります。
僕は、いきなり異業種へ出るより先に、まず看護から半歩だけ離れる職場を試した方がいいと思っています。理由は戻り道が残るからです。医療から完全に離れて数年経つと、病院に戻りたくなったときの選択肢がはっきり狭まります。
それでも医療から離れたい理由がある方は、その理由を書き出してから動いてください。人間関係なのか、夜勤なのか、命を預かる責任の重さなのか。理由が夜勤や忙しさなら、病院以外の看護職で解決できる場合がほとんどです。
病院以外に転職すると年収はどう変わるのか
病院以外の職場は夜勤がない求人も多くあります。その分、夜勤手当がなくなります。ここは感覚ではなく金額で押さえておきましょう。
日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(日本看護協会調査研究報告 No.102)によると、病院で支給されている夜勤手当は1回あたり次の金額です。
| 夜勤形態 | 平均 | 中央値 |
|---|---|---|
| 二交代制の夜勤 | 11,470円 | 11,200円 |
| 三交代制の深夜勤 | 5,211円 | 4,500円 |
| 三交代制の準夜勤 | 4,300円 | 3,800円 |
出典:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」表58(2026年9月確認)
二交代制で月4回の夜勤に入っている方なら、夜勤手当だけで月4万5,000円前後。年間にすると50万円台になります。夜勤をやめるというのは、この金額を手放すという意味です。
同じ調査では、勤続10年・31~32歳・非管理職の看護師の平均基本給与額が254,286円、平均税込給与総額が340,278円(2025年度実績)となっています。差額の約8万6,000円は夜勤手当や住宅手当などの積み上げなので、病院以外の求人票に書かれた基本給だけを見て「今とだいたい同じくらいだ」と判断すると、入職してから手取りで数万円ぶんの差に気づくことになります。
【求人票で分けて見るところ】
・基本給(毎月必ず入る金額)
・資格手当・住宅手当など固定の手当
・オンコール手当(1回あたりいくら/月の回数)
・インセンティブ(何を達成すると、いくら乗るのか)
・賞与の実績(規定上の月数ではなく、直近の支給実績)
・固定残業代(何時間ぶん含まれているのか)
僕は、年収を落としたくない方ほど求人票の「年収例」より内訳で比べた方がいいと思っています。年収600万円と書かれた美容クリニックの求人でも、そのうち150万円がインセンティブなら、金額は実力と店舗の状況で動きます。上がる可能性がある求人と、確実に毎月入る求人。この2つは別物として見てください。
病院以外の転職におすすめの看護師転職サイト
病院以外の求人を探すなら、看護師専門の転職サイトを複数使うのがおすすめです。病院求人が多いサイトだけでなく、クリニック、訪問看護、介護施設、企業求人まで扱うサービスを組み合わせてください。
「転職サイトは使わない方がいい」という声を見かけることもあります。気になる方は看護師転職サイトは使わない方がいい?で、何が言われているのかを先に確認しておきましょう。
1:レバウェル看護

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公開求人数:141,172(2026年8月31日現在)
求人数増減:+401(先週比↑up)
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『レバウェル看護』は、病院、クリニック、介護施設、訪問看護ステーションなどの求人を扱う看護師専門の転職サイトです。
病院以外を探すときにいちばん困るのは、求人票から職場の実態が読めないことです。残業、教育体制、看護師の配置人数、前任者が辞めた理由。この4つを担当者に聞けるかどうかで、入職後の納得感がかなり変わります。
美容クリニックや介護施設、訪問看護など、病院以外の候補を広く見たい方は登録しておきましょう。求人数や取り扱い求人は時期で変わるため、最新情報は公式サイトで確認してください。
出典:公式サイト
2:ナース専科 転職

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おすすめ度:★★★★・
【公式サイト】https://www.nursejinzaibank.com/
『ナース専科 転職』は、看護師向けの転職支援サービスです。看護業界に詳しいキャリアパートナーが、求人紹介や書類添削、面接対策をサポートします。
地域ごとの求人を比較したい方、地方で病院以外の求人を探したい方は、候補に入れておきたいサービスです。クリニックや介護施設、訪問看護は地域差が大きく出ます。希望勤務地に詳しい担当者へ相談してください。
登録後は、「病院以外なら何でもよい」ではなく、夜勤なし、オンコール少なめ、土日休み、医療処置少なめなど、譲れない条件を先に伝えると求人を絞り込みやすくなります。
出典:公式サイト
3:マイナビ看護師

口コミ:マイナビ看護師 評判を確認
おすすめ度:★★★★・
公開求人数:118,889(2026年8月31日現在)
求人数増減:+164(先週比↑up)
【公式サイト】https://kango.mynavi.jp/
『マイナビ看護師』は、大手人材会社の株式会社マイナビが運営する看護師向け転職サイトです。
病院だけでなく、一般企業、美容クリニック、訪問看護、介護施設、トラベルナースなど幅広い求人を探せます。病院以外の選択肢をまだ絞り切れていない方は、職場の種類を並べて相談できます。
初めて転職する方は、履歴書や職務経歴書、面接対策まで担当者に確認しましょう。一般企業や美容クリニックは、病院とは見られるポイントが変わります。志望動機の作り方も事前に相談しておくと通過率が変わります。
※マイナビのプロモーションを含みます
出典:公式サイト
4:看護roo!

口コミ:看護roo! 評判を確認
おすすめ度:★★★★・
公開求人数:約25万件(2026年8月31日現在)
【公式サイト】https://www.kango-roo.com/career/
『看護roo!』は、株式会社クイックが運営する看護師向け転職サイトです。求人検索だけでなく、転職相談や応募書類の作成支援も利用できます。
求人数が多く、病院、クリニック、介護施設、訪問看護などを比較したい方に向いています。病院以外に絞る場合は、施設形態だけでなく、日勤のみ、残業少なめ、オンコールなしなどの条件も組み合わせて確認してください。
転職するか迷っている段階でも相談できます。いきなり応募するのではなく、病院以外へ移った場合の年収、働き方、選考の進み方を聞いてから判断しましょう。
出典:公式サイト
なお、登録後の電話連絡が負担だと感じる方もいます。連絡手段を選べるサービスもあるので、電話なしで利用できる看護師転職サイトもあわせて見ておいてください。
【病院以外】看護師転職サイトを利用する流れ
ここからは、病院以外の職場へ転職する際の進め方を説明します。病院求人より数が限られる職場もあるため、条件整理と情報収集を先に行いましょう。

転職サイトを利用する流れは大きく5つです。
【転職サイトの登録の流れ】
1. 自己分析をする
2. 転職サイトに登録する
3. 応募書類を作成する
4. 求人に応募する
5. 面接・内定
1:自己分析をする
求人を見る前に、病院以外へ移りたい理由を書き出してください。夜勤をなくしたい、急性期の忙しさから離れたい、年収を上げたい、土日休みにしたい。理由によって合う職場は変わります。
そのうえで、次の5つを先に決めておくと求人選びがぶれません。
【先に決めたい条件】
・夜勤をなくしたいのか、オンコールも避けたいのか
・医療処置を続けたいのか、事務や相談業務に寄せたいのか
・年収を上げたいのか、土日休みや残業の少なさを優先したいのか
・1人配置でも働ける経験があるのか、複数名体制の職場がよいのか
・患者対応、利用者対応、社員対応のうち、どの関わり方が合うのか
僕は、病院以外の転職では「楽そうか」よりも、勤務形態と責任範囲を先に見ることをおすすめしています。夜勤がなくても、オンコール、土日勤務、営業要素、1人配置がある職場はあります。求人票だけで判断せず、面談や職場見学で確認してください。
希望条件は、譲れない条件と調整できる条件に分けておきましょう。夜勤なしは譲れないが土曜勤務は相談できる、年収は下げたくないが通勤時間は延びてもよい。この形にしておくと、担当者もぐっと絞り込みやすくなります。
2:転職サイトに登録する
自己分析が終わったら、看護師転職サイトに登録します。病院以外の求人はサイトごとに扱いが違うため、1社だけで決めず、2~3社で比較するのがおすすめです。
登録後は、希望職種を広めに伝えつつ、避けたい条件を明確にしてください。「夜勤なし」だけでは、オンコールありの訪問看護や土日出勤の美容クリニックも候補に入ります。勤務時間、休日、オンコール、残業、1人配置の有無まで伝えましょう。
3:応募書類を作成する
応募書類では、病院での経験をそのまま並べるだけでなく、応募先で活かせる経験に変換して書きましょう。美容クリニックなら接遇や説明力、訪問看護なら利用者・家族への対応、企業なら健康相談や記録管理の経験が伝わるようにします。
無料で利用できる職務経歴書のテンプレートもあります。リクルートエージェントの「職務経歴書エディター」や「職務経歴書フォーマット」も参考にしてください。
4:求人に応募する
気になる求人が見つかったら、応募前に勤務条件を確認してください。病院以外では、仕事内容が求人票だけでは見えにくい職場もあります。
応募先を1つに絞りすぎると、比較材料が少なくなります。面接や見学で、看護師の人数、教育体制、残業、休日、急変時の対応、給与の内訳を確認し、条件が合うか判断しましょう。
5:面接・内定
面接では、退職理由を「病院がつらい」だけで終わらせず、次の職場でどう働きたいかまで伝えてください。病院以外の職場は、臨床スキルだけでなく、利用者対応、説明力、事務処理、他職種との連携も見られます。
内定後は、給与、手当、休日、オンコール、残業、試用期間、配属先を確認してください。条件通知書の内容に不明点があれば、入職前に担当者や応募先へ確認しておきましょう。
看護師が病院以外に転職するときの注意点
病院以外の職場は魅力がありますが、病院と同じ感覚で選ぶと合わないことがあります。特に次の6点は先に押さえてください。
1:病院以外の求人数は病院より少ない
冒頭の表のとおり、就業看護師の65.7%は病院で働いています。看護師の求人は病院が中心になりやすく、産業看護師(事業所5,879人)や大学の保健室、企業求人などは募集枠が限られます。
病院以外を希望する方は、希望職種を1つに絞りすぎないでください。クリニック、訪問看護、介護施設、健診センターのように条件が近い求人も並行して見ておくと、募集が閉じたときに手が止まらずに済みますし、比較対象があるぶん条件交渉もしやすくなります。「夜勤をなくす」が目的なら、この4つの中で十分に足ります。
2:夜勤なしの職場は年収が下がることがある
夜勤手当は二交代制で1回あたり平均11,470円です。月4回入っていた方が夜勤をやめれば、それだけで年間50万円台の差になります。
美容クリニックや訪問看護には年収を上げられる求人もありますが、上乗せは土日勤務やオンコールとセットです。金額の作り方は「病院以外に転職すると年収はどう変わるのか」で整理しています。
3:教育体制は病院ほど整っていない
病院には新人研修もプリセプターも委員会もあります。病院以外の職場に、同じものはほとんどありません。看護師が2~3人という職場では、教える担当を置く余裕がないからです。
だから、聞かれるまで待つ姿勢だと止まります。分からないことは自分から聞く、手順書がなければ自分でメモを作る。これができる方には働きやすい環境ですが、体系立てて教わりたい段階の方には向きません。
面接で「入職後の教育はどうなっていますか」と聞いてみてください。同行期間の長さや、独り立ちまでの目安を具体的に答えられる職場なら、受け入れる準備がある証拠です。
4:病棟に戻りにくくなる職場がある
これは転職前にいちばん見落とされる点です。病院以外へ移ると、職場によっては急性期の医療処置に触れる機会がなくなります。美容クリニック、企業の健康管理室、CRC、コールセンターがそれにあたります。
数年後に病棟へ戻りたくなったとき、面接で聞かれるのは直近で何をしていたかです。ブランクの扱いになると、応募できる求人が狭まります。
逆に、訪問看護、介護施設、有床クリニック、健診センターは医療処置が続くので、臨床の勘は保ちやすい。20代から30代前半で、いずれ病棟に戻る可能性を残しておきたい方は、この違いを頭に入れて選んでください。単発のツアーナースや夜勤専従のアルバイトで臨床に触れ続ける、という方法もあります。
5:新卒や経験が浅い看護師は病院経験を積む選択もある
新卒や臨床経験が浅い方は、最初から病院以外に絞りすぎない方がよい場合があります。病院以外の職場では、少人数体制や1人配置で判断を求められる場面があるためです。
病院以外を目指す場合でも、まずは病棟や外来で基本的な看護技術、急変時の対応、記録、報告を身につけてから転職した方が、選べる求人は広がります。すでに経験がある方は、応募先で求められる処置や判断の範囲を確認してください。
6:求人票だけでは分からない条件がある
「病院以外なら楽そう」という理由だけで転職先を選ぶのは避けましょう。働き方が合えば長く続けられますが、条件確認が甘いと、病院とは別の負担を抱えることになります。
【応募前に潰しておきたい点】
・仕事内容に「その他業務」だけが多く、看護師の役割が分かりにくい
・オンコール回数や緊急出動の実績を教えてもらえない
・看護師が常に1人配置で、相談先や教育体制が見えない
・固定残業代やインセンティブの条件が分かりにくい
・面接時に見学できず、職場の雰囲気を確認できない
求人票で分からない点は、担当者に確認してもらってください。特に訪問看護、介護施設、保育園、大学の保健室は、看護師の配置人数と緊急時の判断範囲が働きやすさに直結します。
【病院以外】看護師の転職でよくある質問
新卒でも病院以外に就職できますか?
応募できる求人はあります。ただし病院以外は少人数体制のところが多く、目の前の状態がおかしいと気づいて動くところまで1人で求められる場面が出てくるので、基本的な看護技術と急変時の対応を身につけてからの方が、結果的に選べる求人は広がります。まずは1~3年の臨床経験を積む選択も検討してください。
病院以外で高給を狙える職場はどこですか?
美容クリニック、訪問看護、医療機器メーカーのフィールドナースが候補です。ただし上乗せ部分はインセンティブ、オンコール手当、評価制度から出ているので、求人票の年収例だけを見て決めず、固定でいくら入るのかを内訳で確認してください。
のんびり働ける職場はありますか?
健診センター、大学の保健室、保育園、予約制のクリニックが挙がりやすい職場です。ただし職場名では決まらないので、1日の対応件数、残業時間、看護師の配置人数、急変対応の頻度を聞いたうえで判断してください。詳しくは「目的別に見る病院以外の職場」で整理しています。
絶対にやめた方がいい職場の特徴はありますか?
求人票と面接で見分けられる特徴があります。募集がずっと出続けている、仕事内容が「その他業務」ばかりで役割がはっきりしない、オンコールや残業の実績を数字で答えてもらえない、見学を断られる。この4つのうち2つ以上が重なる求人は、応募を急がずに理由を確認してください。給与だけが相場より大きく高い求人も、その差がどこから出ているのかを聞いてから判断しましょう。
病院以外で看護師がいちばん多い勤務先はどこですか?
診療所です。194,665人が働いており、就業看護師全体の14.3%を占めます。次いで介護保険施設等が107,984人、訪問看護ステーションが91,022人。この3つで病院以外の約8割を占めるため、求人も見つけやすい領域です。
自宅でできる看護師の仕事はありますか?
医療系コールセンター、オンライン健康相談、医療系記事の監修・執筆補助があります。求人数は多くなく、研修期間だけ出社という条件も一般的です。希望条件に「在宅可」を登録しておき、募集が出たときに動ける状態にしておきましょう。
保健室の先生になるには看護師免許だけで足りますか?
小学校・中学校・高校の保健室は養護教諭が担当するため、養護教諭免許状が必要です。保健師免許を持つ方は教育職員免許法別表第2により養護教諭二種免許状の授与を申請できますが、日本国憲法や体育などの科目の単位を確認されます。大学の保健室(保健管理センター)は養護教諭免許を求められないので、看護師免許で応募できる求人があります。
【病院以外】看護師転職まとめ
看護師が病院以外で働ける職場は、この記事で挙げただけで13か所ありました。求人の中心になるのは診療所(一般・美容)、健診センター、介護施設、訪問看護の5つ。そこに看護学校の教員、自治体・保健所、企業系の職種(産業看護師、フィールドナース、CRC)、学校の保健室が続きます。加えて、ツアーナース、医療系コールセンター、矯正施設、トラベルナースといった珍しい求人もあります。
僕は、病院以外へ転職するなら、まず「夜勤をなくしたい」「年収を上げたい」「医療処置を減らしたい」「企業で働きたい」など目的を1つ決めることをおすすめしています。目的が決まると、見るべき求人と避けるべき求人がはっきりします。
そして、データが示すとおり求人数には大きな偏りがあります。診療所・介護施設・訪問看護は動きが多く、企業の健康管理室は全国で5,879人ぶんの枠しかありません。狙いを1つに絞るほど時間はかかります。近い条件の職場も並べて見てください。
最後にもう一度。病院以外の求人は、求人票だけでは勤務実態が読めません。看護師転職サイトを複数使い、残業、オンコール、配置人数、給与の内訳まで確認したうえで決めましょう。
執筆者・監修者のmotoについて
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起業家・著述家(Wikipedia)。実名は戸塚俊介。広告・人材・IT業界など8社へ転職。副業でmoto株式会社を起業し、上場企業へM&A。現在はHIRED株式会社(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313037)代表取締役。著書:『転職と副業のかけ算』(扶桑社)、『WORK』(日経BP)

