
本記事は、転職の専門家であるmotoが、職務経歴書の書き方について解説します。
職務経歴書の書き方で迷ったら、まず「採用担当者が知りたいこと」に合わせて整理してください。職務経歴書は、自分の経歴をただ並べる書類ではありません。応募先の仕事で何を任せられそうかを伝えるための書類です。
本記事を監修しているmotoは、転職やキャリアに関する知見を発信し、Forbes JAPANや日経ビジネスなどのメディアに取り上げられています。
僕はこれまでに7回の転職を経験し、年収240万円→年収1000万円まで引き上げました。motoのキャリアやこれまでの実績についてはプロフィールページをご覧ください。
著書『転職と副業のかけ算』はAmazon総合ランキングで1位のベストセラーとなっています。
これまでの経験から、職務経歴書の書き方について発信したところ、ツイートへのいいねが8000を超えました。
職務経歴書は「STARS」というフレームワークを使って書くのがおすすめよ。
・Situation :どんな環境で
・Task :どんな任務を持ち
・Action :自分は何を実行して
・Result :結果どうだったのか
・Self-Appraisal :振り返ってどう思うか中でも「Self-Appraisal」をしっかり書くと書類通過率変わるよ。
— moto (@moto_recruit) May 31, 2021
今回は、無料テンプレートと項目ごとの例文を配りながら、僕が職務経歴書を書くときに見ているポイントを解説します。応募先の求人要件から逆算して組み立てる、いわば“戦略的”な作り方です。書くのが初めての方でも、上から順に埋めていけば形になります。
僕が転職活動で使った転職サイトは『転職サイトおすすめ比較ランキング』記事をご覧ください。
職務経歴書テンプレート(無料ダウンロード)
まずはテンプレートを手元に置いてください。下記から職務経歴書のテンプレート(Zip)をダウンロードできます。無料です。
ただし、テンプレートをいきなり埋め始めるのはおすすめしません。先に応募先の求人要件を読み、そこに書かれている言葉と自分の経験を突き合わせてください。何を残して何を削るかが決まっていないと、テンプレートは「過去の職歴の置き場」になってしまいます。
職種によって書き方の型が変わる書類なので、たとえば銀行のテラー職なら『銀行員(テラー)の職務経歴書テンプレートと書き方ガイド』のように、応募職種に近い見本を併せて見ておくと迷いが減ります。
職務経歴書とは?履歴書との違い
職務経歴書とは、これまでの仕事内容、実績、スキルを応募先に伝える書類です。履歴書が氏名・学歴・職歴などのプロフィールを確認する書類だとすると、職務経歴書は「入社後にどんな仕事で貢献できるか」を判断してもらうための書類です。
| 履歴書 | 職務経歴書 | |
|---|---|---|
| 目的 | 本人の基本情報を確認する | 入社後に任せられる仕事を判断する |
| 様式 | ほぼ決まっている | 決まっていない(自分で構成する) |
| 主な内容 | 氏名・学歴・職歴・資格・志望動機 | 職務要約・職務内容・実績・スキル・自己PR |
| 分量 | 1枚 | A4で1~2枚が目安 |
| 書き分け | 応募先が変わっても大きくは変えない | 応募先ごとに中身を組み替える |
大きな違いは、様式が決まっていないところです。履歴書は枠が用意されているので誰が書いてもある程度そろいますが、職務経歴書は構成から自分で決めます。ここで差がつきます。
採用担当者は職務経歴書のどこを見ているか
採用担当者が職務経歴書を読む時間は、そう長くありません。多くの応募書類に目を通したうえで、面接に呼ぶかどうかを決めます。見ているのは主に次の3点です。
1. 募集している仕事を任せられそうか
2. その経験に再現性があるか(たまたま出た成果ではないか)
3. 面接で深掘りしたい話があるか
裏を返すと、過去の仕事を全部書いても評価は上がりません。応募先で評価される経験を選び、そこを厚く書いたほうが伝わります。分量はA4で1~2枚程度が目安です。経験が多い方でも、応募求人に関係する経験から優先して整理してください。
職務経歴書に書く6つの基本項目と例文
職務経歴書に決まった様式はありません。ただ、採用担当者が確認したい項目はある程度決まっています。次の6つを入れておけば、基本の形になります。
1. タイトル・氏名・提出日
2. 職務要約
3. 職務経歴・職務内容
4. 活かせる経験・知識・スキル
5. 資格・免許
6. 自己PR
例文は営業職を想定していますが、考え方はどの職種でも同じです。
1. タイトル・氏名・提出日
1行目に「職務経歴書」と入れ、右上に提出日と氏名を書きます。提出日は、面接に持参するなら当日、メールで送るなら送信日に合わせてください。日付だけが古いまま残っている書類は、使い回しに見えます。
2. 職務要約(例文つき)
職務要約は、これまでの経験を250字前後でまとめたブロックです。ここだけで全体像が伝わるように書いてください。採用担当者が最初に読む場所であり、続きを読むかどうかがここで決まります。
【職務要約の例文(法人営業)】
大学卒業後、株式会社〇〇に入社し、中小企業向けの新規開拓営業を3年間担当しました。年間120社へアプローチし、初年度から目標達成率110%を維持しています。4年目からは既存顧客50社の深耕へ担当が変わり、業種別に提案内容を組み替えることで契約更新率を前年比8ポイント改善しました。現在は3名のメンバーの育成とKPI管理も兼任し、担当チームの売上目標を6カ月連続で達成しています。新規開拓とチームづくりの両方を経験してきた点を、貴社の〇〇事業でも活かしたいと考えています。
ポイントは、最後の1文で応募先とつなげているところです。経歴の要約で終わらせず、「その経験をどこで使うつもりか」まで書くと、読み手は続きを具体的に読めます。
3. 職務経歴・職務内容(例文つき)
会社名、在籍期間、事業内容、従業員数、担当業務を並べたうえで、役割・成果・工夫した点まで書きます。会社概要は事実だけ淡々と、担当業務は厚めに。この配分が逆になっている書類をよく見かけます。
【職務内容の例文(法人営業)】
株式会社〇〇(2020年4月~現在)
事業内容:業務用食品の卸売/従業員数:〇名
■担当業務
・首都圏の飲食チェーン50社を担当(1社あたり年間取引額〇万円~〇万円)
・新規開拓(年間120社へのアプローチ、うち新規契約〇社)
・販売企画の立案と店舗への導入提案
■取り組みと成果
・顧客を「来店客数が伸び悩む店」「原価率が高い店」に分けて提案内容を作り分け、更新率を前年比8ポイント改善
・週次でKPIを確認する仕組みをチームに導入し、担当チームの売上目標を6カ月連続で達成
・受注後の問い合わせ対応の手順を整理し、1件あたりの対応時間を平均15分短縮
「何をしたか」だけで止めず、「なぜそうしたか」を1つ入れておくのがコツです。上の例なら、顧客を2種類に分けた理由が面接で必ず聞かれます。そこで話す内容を先に用意しておけば、書類と面接がつながります。
4. 活かせる経験・知識・スキル(例文つき)
ここは箇条書きで構いません。応募先の求人要件に近いものから順に並べます。持っているスキルを全部書くのではなく、求人票に出てくる言葉に寄せて選んでください。
【活かせる経験・スキルの例文】
・新規開拓(テレアポ、紹介、展示会からの商談化)
・既存顧客の深耕と契約更新の交渉
・KPI設計と週次での進捗管理
・3名規模のチーム運営とメンバー育成
・Excel(ピボットテーブル、VLOOKUP)、Salesforceでの案件管理
使えるツールやシステムの名前は、具体的に書いたほうが伝わります。「PCスキルあり」では何ができるのか判断できません。
5. 資格・免許
取得年月と正式名称で書きます。業務に関係するものを優先し、関係の薄い資格は無理に並べなくて構いません。取得予定のものがあれば「〇年〇月取得予定」と添えておくと、学習中の分野が伝わります。
6. 自己PR(例文つき)
自己PRで書くのは、性格より仕事の進め方です。「粘り強い性格です」ではなく、粘り強さが成果につながった場面を書きます。強みを1つに絞り、成果とセットで示してください。
【自己PRの例文(法人営業)】
数字が動かない理由を、顧客の現場に入って探すことを続けてきました。担当していた飲食チェーンの更新率が落ちた際、店舗に足を運んで店長へ聞き取りを行い、原因が商品ではなく発注の手間にあるとわかりました。発注書のフォーマットを見直して提案したところ、その年の更新率は前年比8ポイント改善しています。貴社でも、提案の前にまず現場の事情を確かめる進め方で貢献したいと考えています。
強みを2つも3つも並べると、どれも印象に残りません。1つに絞って、その根拠になる場面を1つ書く。これで十分に判断材料になります。
職務経歴書の3つの形式と選び方
経歴の並べ方には、大きく3つの形式があります。自分の経歴に合う形式を選ぶと、伝えたい強みが前に出ます。
・編年体式:入社から現在まで、古い順に書く
・逆編年体式:直近の経験から、新しい順にさかのぼって書く
・キャリア式:時系列ではなく、職種や分野ごとにまとめて書く
社会人経験が浅い方や、同じ職種を長く続けてきた方は、履歴書と照らし合わせて読みやすい編年体式が向いています。経験が長く、直近の実績を先に見せたい方は逆編年体式を選んでください。
転職回数が多い方や、複数の職種をまたいできた方は、キャリア式が向いています。会社ごとに並べると職歴が細切れに見えますが、「営業」「マネジメント」のように分野でまとめると、経験の一貫性や専門性が伝わります。迷ったら、応募先が一番見たい経験を先頭に置ける形式を選んでください。
職務経歴書を書く前に考えること
ここからが本題です。形式や項目をそろえただけの職務経歴書は、書類選考を通りません。書く前に、転職活動の考え方を整理しておきます。
まず、転職活動は「自分という“商品”を企業に売り込む営業活動」です。
これまで積み上げてきた経験やスキルを商品にして「どんなことができるのか」「どう役立つか」「値段はいくらなのか」という“自分の営業”を展開していくのが転職活動の基本です。
「御社のサービスに魅力を感じてー」とか「優秀な人が多いのでー」という「自分が志望企業に入りたい理由」を伝えるより、「自分を雇うことのメリット」を伝えた方が、採用する側は判断しやすくなります。
転職活動も営業も「自分のスゴいところ」を推すのではなく、「相手が求めていることに対して、自分にできること」を伝えるのが基本です。ここを外したまま文章だけ磨いても、通過率は変わりません。
準備編:求人票から「相手のニーズ」を読み取る
まずは、相手の採用ニーズを把握します。
相手のニーズは、転職サイトや企業HPの「求人要項」に明確に記載されています。「仕事内容」「求める人物像」「必要な能力・スキル」が相手のニーズです。例えば、下記のような内容が書かれています。
■必要な能力・スキル
【必須(MUST)】
・販売戦略を立て、3名以上のチームで実行したことがある方
・目標に対しKPIを設定し、定量的に営業目標を管理した経験がある方
・販売方法やチャネルを自ら考え、実績を出した経験のある方
【歓迎(WANT)】
・チームマネジメント経験
・プレイングマネージャー経験
・営業の経験が3年以上あり、ゼロから営業チームの立ち上げを行った経験
これだけでも十分ですが「同じ求人が載っている他の転職サイト」も見ておくのがおすすめです。
僕の経験上、リクナビNEXTやマイナビ転職、Green、エン転職は、サイトごとに表示される求人項目が違うので、求人票だけでは見えない「求められる能力やスキル」まで拾えます。
加えて、社長や社員インタビューを読むのも有効です。「志望企業名 社長名」などで検索すれば出てくるので、「普段どんな仕事をしているのか」と「どんな課題があるか」という部分を意識して読んでください。
検索していると「ネガティブな情報」や「企業を批判する記事」が出てくることもあります。そこにも目を通しておくと、会社が抱えている課題を別の角度から見られます。その記事で指摘されている部分を解決するために自分にできることは何か、という視点で読むと、職務経歴書に書くべき経験が見えてきます。
志望企業が「これから何をしようとしているのか」「現時点でどんな課題を抱えているのか」「世の中ではどう言われているのか」を把握しておけば、その課題に対して自分ができることを伝えられます。さらに踏み込むなら、上場企業や上場企業の子会社であれば、IR(Investor Relations)を見ておくのもおすすめです。
求人は「何らかの課題を解決してくれる人」を求めて出されています。その課題を把握し、「自分が過去に同じような課題を乗り越えた経験」を記載することで、相手が欲しがる経歴に近づいていきます。
書類が通る職務経歴書の書き方4ステップ
職務経歴書を書く上で見ておきたいポイントは4つです。
1. 人材要件から「共通点と類似点」を考える
2. 社内評価ではなく「市場価値」を意識する
3. 自分の「役割」と「成果」を定量的に書く
4. 面接での「ツッコミどころ」を用意しておく
初めて書く方は、この4つの順番で整理してください。最初から完璧な文章にしようとせず、求人票に書かれている言葉と自分の経験を照らし合わせるところから始めましょう。
1.人材要件から「共通点と類似点」を考える
上記の求人要項を参考にお伝えすると、まず【必須(MUST)】の部分に注目します。
職務経歴書には【必須(MUST)】に当てはまる「自分の過去経験」を中心に書いていきます。極端に言えば、それ以外の経験は短くまとめても構いません。
また、【歓迎(WANT)】の部分は「欲を言えば、こういう人に来てほしい」という企業の願望的要件です。この要件を満たせれば面接に進める可能性は高まりますが、無理に盛る必要はありません。
まず、【必須(MUST)】の部分には下記の3つが書かれています。
・販売戦略を立て、チームで実行したこと
・目標に対しKPIを設定し、定量的に営業目標を管理した経験
・販売方法やチャネルを自ら考えてPDCAを回し、実績を出した経験
上記とまったく同じ経験があれば、その経験を書けば問題ありません。少し離れた業務の場合は「転職先の仕事で求められる能力と、現職で培った能力の共通点、または活かせる類似点」を見つけて記載してください。
例えば、販売職から営業職へ応募する場合、「接客経験があります」だけでは弱く見えます。顧客の課題を聞き、提案し、売上やリピートにつなげた経験まで書くと、営業職との共通点が伝わります。
2.社内評価ではなく「市場価値」を意識する
職務経歴書では、社内だけで通じる評価よりも、社外の採用担当者が見てもわかる成果に直して書いてください。
「上司から評価された」「社内で頑張った」だけでは、応募先の仕事でどう活かせるかが伝わりません。売上、達成率、対応件数、改善前後の変化、担当人数、期間、費用など、読み手が比較できる情報に変換しましょう。
社内の等級や独自の賞の名前も、そのままでは伝わりません。「S評価を3期連続で獲得」なら、その評価が全体の何割に与えられるものなのかを添えると、外から見ても位置がわかります。
実際に書き直すと、こう変わります。
| 社内の言葉のまま | 社外に伝わる形へ |
|---|---|
| 上司から高い評価を受けた | 営業部40名中3名の年間表彰を受賞(2期連続) |
| 売上に貢献した | 担当エリアの売上を前年比115%(担当顧客50社/単価〇万円帯) |
| 業務改善に取り組んだ | 受発注の確認手順を統一し、月40件の処理時間を1件あたり15分短縮 |
| チームをまとめた | 3名のメンバーの目標設定と週次面談を担当し、全員が目標を達成 |
右側に並んでいるのは、どれもありふれた仕事の記録です。左側と同じ出来事を、社外の人が比べられる情報に置き換えているだけです。書類が通らないと感じている方の多くは、経験が足りないのではなく、この変換をしていません。
数字が出しにくい職種でも、工夫はできます。保育士なら担当クラス、園児数、保護者対応、行事運営、看護師なら病棟・診療科・担当患者数・委員会活動など、仕事の範囲が伝わる情報を入れてください。
3.自分の「役割」と「成果」を定量的に書く
職務経歴書では、会社全体の実績ではなく「自分が何を担当したか」を明確にしてください。
例えば「売上120%を達成」と書く場合、自分が担当した範囲、チーム人数、担当顧客数、実行した施策まで書くと、成果の再現性が伝わります。採用担当者が知りたいのは、結果そのものだけでなく、その結果を出すまでの動き方です。
箇条書きにする場合は、下記のように「役割」「行動」「結果」をセットで書くと伝わります。
・既存顧客50社を担当し、課題別に提案内容を見直した結果、更新率を前年比〇%改善
・3名の販売スタッフをまとめ、週次でKPIを確認し、店舗売上目標を〇カ月連続で達成
・問い合わせ対応の手順を整理し、月〇件の対応時間を平均〇分短縮
実績を盛る必要はありません。自分が担当した範囲と、その中で工夫したことを具体的に書けば、十分に判断材料になります。
4.面接での「ツッコミどころ」を用意しておく
職務経歴書は、面接で話す内容の土台にもなります。
そのため、すべてを文章で説明し切るより、面接で聞かれたときに話せる経験を残しておくのがおすすめです。「なぜその施策を選んだのか」「失敗した点は何か」「次に同じ仕事をするなら何を変えるか」まで答えられる内容を選んでください。
僕がよく使うのは、冒頭で紹介した「STARS」の型です。Situation(状況)、Task(任務)、Action(行動)、Result(結果)、Self-Appraisal(振り返り)の順で整理すると、職務経歴書にも面接にも使いやすい形になります。
中でも、Self-Appraisal(振り返り)は差が出ます。結果だけでなく「その経験から何を学び、次の職場でどう活かすか」まで書けると、ただの実績紹介で終わりません。書類を出したあとの流れは『転職の面接対策しないとどうなる?受かる人の条件と最低限やること』にまとめています。
職種別|職務経歴書の見せ方と書き出し例
職務経歴書は、職種によって見せ方を変えてください。同じ「コミュニケーション力」でも、営業なら商談や交渉、看護師なら患者や多職種との連携、保育士なら保護者対応や園内の連携というように、応募先の業務に合わせて表現を変えます。
ここでは、職種ごとに「何を数字にするか」と「書き出しの例」を並べます。自分の職種に近いものを土台にして書き換えてください。
営業職
売上、達成率、担当顧客数、新規と既存の比率、商材の単価帯が判断材料になります。担当していた市場の難易度も添えると、数字の意味が伝わります。
【書き出し例】
首都圏の中小企業を対象に、業務用食品の新規開拓営業を4年間担当しました。年間120社へアプローチし、目標達成率110%を4期連続で維持しています。
事務職
処理件数、対応部署数、使用ツール、改善した業務、任されていた範囲が判断材料になります。与えられた業務の説明で終わらせず、自分で整えた仕組みを1つ書いてください。
【書き出し例】
営業部15名の営業事務として、月間〇件の受発注処理と請求書発行を担当しました。Excelで進捗管理表を作成し、納期の確認漏れをゼロに保っています。
販売・接客
店舗の規模、客単価、売上、スタッフ人数、担当した売り場、在庫やシフトの管理経験が判断材料になります。個人売上に加えて、店舗全体への貢献まで書けると強くなります。
【書き出し例】
駅ビル内のアパレル店舗(スタッフ8名)で、レディース売り場の販売とVMDを担当しました。売り場のレイアウトを月次で見直し、担当カテゴリの売上を前年比115%に伸ばしています。
看護師
病院の規模(病床数)、診療科、病棟の種別(急性期・回復期・慢性期)、1日の担当患者数、夜勤の回数、委員会やプリセプター経験が判断材料になります。医療機関ごとに体制が違うので、環境の情報を先に書いてください。
【書き出し例】
〇床の急性期病院の外科病棟で、5年間勤務しました。日勤で7~8名、夜勤で15名前後の患者を受け持ち、3年目からはプリセプターとして新人2名の指導を担当しています。
保育士
園の種別(認可・認可外・企業主導型)、定員、担当年齢とクラス人数、複数担任か単独担任か、行事の運営経験、保護者対応の範囲が判断材料になります。
【書き出し例】
定員90名の認可保育園で6年間勤務し、0歳児から5歳児まで各年齢のクラスを担当しました。直近3年は5歳児クラスの単独担任として、就学に向けた保護者面談と発表会の運営を担当しています。
保育士の転職では、園の方針と自分の保育観が合うかどうかで働きやすさが変わります。応募先の選び方は『保育士のおすすめ転職サイト』にまとめています。
介護職
施設の種別(特養・老健・有料老人ホーム・訪問介護)、定員、入居者の要介護度、夜勤体制、保有資格、リーダーや計画作成の経験が判断材料になります。施設種別で仕事の中身が大きく変わるので、ここを書かないと経験の見当がつきません。
【書き出し例】
定員60名の特別養護老人ホームで5年間、生活介護を担当しました。要介護3~5の入居者を中心に、1ユニット10名の日常生活支援と夜勤(月4回)を担当し、4年目からはユニットリーダーとして5名のシフト調整を担当しています。
状況別|こんなときの職務経歴書の書き方
書き方で手が止まるのは、経歴が「きれいな一本道」ではないときです。ここでは相談を受けることが多いパターンをまとめます。
初めて職務経歴書を書く方
いきなり文章から書き始めないでください。まず、これまでの仕事を紙に全部書き出します。会社名、期間、担当業務、担当した人数や件数。ここは雑で構いません。
次に、応募先の求人票を開いて、書き出した中から関係するものに印をつけます。印がついたものだけをテンプレートへ移し、残りは1行にまとめる。この順番で進めれば、文章力の問題になりません。
転職回数が多い方
すべての退職理由を細かく書くより、職務経歴の一貫性が見えるようにまとめてください。経験社数が多い場合は、直近や応募先に近い経験を厚めにし、古い職歴は短く整理する方が読みやすくなります。
前述のキャリア式で分野ごとにまとめる書き方も、職歴が細切れに見えるのを防げます。「営業として通算8年」のように、会社をまたいだ通算年数を職務要約に書いておくのも有効です。
アルバイト・パートの経験を書く場合
アルバイトやパートの経験も、応募先に関係する業務であれば職務経歴書に書いて問題ありません。雇用形態よりも、何を担当し、どんな成果や工夫があったかを見られます。
書くときは、雇用形態を明記したうえで、勤務期間・週の勤務日数・担当業務を添えてください。「(アルバイト/週4日・1日6時間)」のように書けば、経験の量が伝わります。学生時代の短期のアルバイトまで並べる必要はなく、応募先の仕事に近いものだけを選びます。
職歴にブランクがある方
ブランクは隠さず、期間と理由を1行だけ書いてください。療養、家族の介護、育児、資格の勉強など、事実を短く書けば十分です。長い言い訳を書くほど目立ちます。
その間に学んだことや、復帰に向けて準備したことがあれば、そこは具体的に。ブランクそのものより、いま働ける状態かどうかを見られています。
とにかく簡単に仕上げたい方
簡単に済ませたい方ほど、最初に「応募先が求めていること」を1つだけ決めてください。その1つに関係する経験から順に書くと、余計な説明を足さずに済みます。
そのうえで、職務要約(250字)、直近1社の職務内容、活かせるスキル5行、自己PR(200字前後)。この4ブロックだけでもA4で1枚になります。過去の会社をすべて詳しく書こうとするから、時間がかかって終わりません。
何を書けばいいかわからない方
手が止まる原因は、たいてい「どれを書けばいいか決まっていない」ことです。材料は足りています。求人票の【必須(MUST)】を3行だけ書き写して、その横に自分の経験を1つずつ当てはめてみてください。当てはまらない行があっても構いません。近い経験を探せば埋まります。
それでも決められないときは、第三者に読んでもらうのが早いです。転職エージェントの面談では、職務経歴書をもとに経歴の掘り下げをしてもらえます。聞かれる内容は『転職エージェントの面談で聞かれること』にまとめているので、事前に目を通しておいてください。
職務経歴書で避けたい書き方
職務経歴書でタブーとされるのは、事実と異なる内容を書くこと、応募先と関係の薄い経験を長く書くこと、守秘義務に触れる情報を書くことです。
・実績や役職を盛って書く
・前職や現職の不満を書く
・社外秘の売上、顧客名、プロジェクト名をそのまま書く
・応募職種と関係の薄い経験を長く書く
・専門用語や社内用語を説明なしで使う
・履歴書と同じ内容をそのまま繰り返す
盛った実績は、面接の深掘りで必ず崩れます。「その数字はどうやって出したんですか」と聞かれて答えられなければ、書類の他の部分まで疑われる。そこまでのリスクを取る価値はありません。
顧客名やプロジェクト名は「大手コンビニチェーン」「金融機関向けの基幹システム刷新」のように、業種と規模がわかる書き方へ置き換えてください。守秘義務の扱い方も見られていると考えたほうがいいです。
提出前に見直す5つのチェック
書き上げたら、送る前に次の5点だけ確認してください。ここで落ちる書類が本当に多いです。
1. 求人票の【必須(MUST)】3行が、職務要約と職務内容に反映されているか
2. 会社の実績と自分の担当範囲が、読み分けられる書き方になっているか
3. 社内用語・略称・独自の等級が残っていないか
4. 応募先の社名や職種名が、別の応募先のまま残っていないか
5. 書いた経験について、面接で理由と反省まで話せるか
4番は笑い話に見えて、実際によく起こります。使い回した書類に前の応募先の社名が残っていると、その1点だけで落ちます。応募先ごとにファイルを分け、送る直前に社名で検索をかけてください。
5番まで確認できたら、その書類は面接の台本にもなっています。書類選考と面接を別々に準備するより、この形で1本にまとめたほうが早いです。
職務経歴書のよくある質問
職務経歴書は手書きとパソコン、どちらで作る?
職務経歴書は手書きでもパソコンでも問題ありません。ただし修正や応募先ごとの調整がしやすく、採用担当者も読みやすいことから、企業から指定がなければパソコン・スマホでの作成をおすすめします。手書きを求められた場合だけ、指定に合わせてください。
何枚にまとめればいい?
A4で1~2枚が目安です。経験が長い方でも3枚を超えると読み切ってもらえません。枚数を減らすときは、文章を圧縮するより、応募先と関係の薄い経験ごと削るほうが読みやすくなります。
箇条書きと文章、どちらがいい?
職務要約と自己PRは文章、職務内容と活かせるスキルは箇条書き。この使い分けが読みやすいです。箇条書きにするときは、1行を1つの内容に絞り、「役割」「行動」「結果」の順で並べてください。
履歴書と両方出す必要がある?
中途採用では、両方の提出を求められるのが一般的です。役割が違う書類なので、履歴書に職歴を並べたからといって職務経歴書を省略できません。逆に、職務経歴書に志望動機を長々と書く必要もありません。
完成した職務経歴書はどう送る?
メールで送るときは、Wordのまま添付せず、PDFに変換してください。相手の環境でレイアウトが崩れません。ファイル名は「職務経歴書_氏名_日付」のように、開かなくても中身がわかる形にします。
郵送のときは、A4がそのまま入る封筒を使い、送付状を添えて折らずに送ります。クリアファイルに入れておけば、雨や折れで傷みません。
もっと具体的な見本を見たい方へ
ここまでが、職務経歴書の基本的な書き方と考え方です。さらに具体的な書き方について、僕の実際の職務経歴書をもとに解説したコンテンツも用意しています。
ーこの先は『転職で企業に刺さる“戦略的”職務経歴書の書き方(テンプレート付)(950円)』でご覧ください(書籍『転職と副業のかけ算』の中でも同じ内容を書いているので、そちらでも読むことができます)。
こちらは有料ですが、中身が全て記載された見本となる職務経歴書のテンプレートがダウンロードできます。実際に書き上げるときは、本記事で紹介した「求人要件との共通点」「市場価値」「役割と成果」「面接で聞かれる点」を意識して作成してみてください。
転職エージェントに「職務経歴書完璧ですね!」と言われました。初めての転職活動。職務経歴書を書くのも初めて。なぜ、完璧な職務経歴書を書けたか?
その秘密は、motoさん執筆の書籍「転職と副業のかけ算」とリンクのnoteを参考にしたから
宣伝みたいですが、以上です。https://t.co/owchZS9n20
— ほとほろ@エクスプロッシャー (@hotoholog) November 29, 2020
職務経歴書は、書類選考だけでなく面接の話し方にもつながります。求人要件を読み、自分の経験を選び、数字や役割で具体化してください。その上で「この人なら任せられそう」と思ってもらえる内容に整えていきましょう。
執筆者・監修者のmotoについて
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起業家・著述家(Wikipedia)。実名は戸塚俊介。広告・人材・IT業界など8社へ転職。副業でmoto株式会社を起業し、上場企業へM&A。現在はHIRED株式会社(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313037)代表取締役。著書:『転職と副業のかけ算』(扶桑社)、『WORK』(日経BP)

