転職エージェントの費用は誰が払う?求職者0円の理由と企業が払う成功報酬の相場

転職エージェントに費用はかかる?

転職エージェントに登録しようとして、「あとから料金を請求されないだろうか」と手が止まる方は多いと思います。

結論から書きます。一般的な正社員向けの転職エージェントは、求職者の負担が0円です。登録も面談も求人紹介も、内定辞退も退会も無料。費用を払っているのは採用した企業のほうで、その金額は入社する人の理論年収の3割前後、1人あたり100万円を超えることも珍しくありません。

誰がいくら払っているのか。それを知っているかどうかで、担当者の提案の受け止め方は変わります。

誰が払うか いくら払うか いつ払うか
求職者 0円 発生しない
採用した企業 理論年収の30~35%が目安 入社日を迎えたあと
採用しなかった企業 0円 発生しない

転職エージェントの費用は求職者0円、払うのは採用した企業

転職エージェントは、登録、面談、求人紹介、書類添削、面接対策、内定後の条件交渉まで、求職者に料金がかかりません。複数のエージェントに登録しても、面談を何回受けても、応募して落ちても同じです。請求は来ません。

これは各社のサービス方針ではありません。理由は法律です。

求職者から手数料を取れないのは職業安定法で決まっている

有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。

引用元: 職業安定法の第三十二条の三

有料職業紹介事業は厚生労働大臣の許可制で、許可を受けた事業者はすべてこの条文の対象になります。良心的な会社だから無料にしている、という話ではありません。求職者に請求できない仕組みだから、どこも無料なのです。

破ったときの罰則もあります。同法第65条第2号にあたり、6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。許可を返上する覚悟がなければできない違反で、大手であればなおさら踏み込む理由がありません。

複数登録も、面談だけ受けて転職を見送ることも、費用の心配はいりません。

例外は芸能家・モデルと、年収700万円を超える一部の専門職

条文にはただし書きがあります。手数料を求職者から取ることが、その求職者自身の利益になると認められるときに限って、厚生労働省令の定めで徴収が認められる、という書き方です。

対象は職業安定法施行規則第20条第2項に列挙されていて、次の5つに限られます。

  • 芸能家
  • モデル
  • 経営管理者
  • 科学技術者
  • 熟練技能者

後ろの3つには条件がもう一段付きます。紹介で就いた職業の賃金が年収700万円を超える場合だけ、という線引きです(厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第6 手数料)。しかも取れる額は、就職後6カ月以内に支払われた賃金の11%(免税事業者は10.3%)が上限。年収の3割を求職者から取る、という設計は制度としてできません。

営業、事務、ITエンジニア、施工管理。一般的な正社員の転職で使うエージェントは、ここに当てはまりません。もし登録料や紹介料を求められたら、その場で契約せず、都道府県労働局の需給調整事業課に相談してください。許可を受けた事業者かどうかも、そこで確認できます。

有料のキャリアコーチングは別の業態

求人紹介を前提にしない有料のキャリア相談やキャリアコーチングは、転職エージェントとは制度上まったく別のサービスです。職業紹介にあたらないので料金を取ることに問題はなく、月額制や数カ月のパッケージ制で、自己分析やキャリア設計そのものに時間をかけたい方が使います。

料金体系は各社の公式サイトに出ています。分かれ目は、求人を紹介してもらえるかどうかです。実際にいくらかかるのかは「キャリアコーチングはなぜ高い?」にまとめました。

0円でどこまで支援を受けられるか

登録から内定までは、大きく5つの段階に分かれます。もちろん、すべて0円です。

転職エージェントの登録の流れ

【転職エージェントの登録の流れ】
STEP1. 転職エージェントに登録する
STEP2. 面談・カウンセリングを受ける
STEP3. 希望する求人の紹介を受ける
STEP4. 書類添削・面接対策
STEP5. 企業との面接・内定

1.登録から内定までの進み方

登録すると、メールか電話で面談日程の案内が届きます。面談は選考ではありません。職歴と希望条件を整理する場です。オンライン、電話、対面から選べることが多く、時間は1時間前後。転職するかどうか決め切れていない段階でも相談できます。

面談のあとは求人紹介が始まります。早ければ当日から数日で届きます。応募したい求人が決まったら、履歴書と職務経歴書の添削、面接対策へ。書類選考を通過すれば企業との面接に進み、日程調整も結果連絡もエージェント経由で行われます。

面談で希望をぼかすと、届く求人もぼやけます。年収、勤務地、仕事内容、転職時期に優先順位をつけて伝えてください。まだ迷っている条件は、迷っていると言ったほうが担当者は求人を選びやすくなりますし、職務経歴書が未完成でも、これまでの仕事内容を箇条書きにしておけば話は進みます。

面談で何を聞かれるのかを先に知っておきたい方は「転職エージェントの面談で聞かれることは?事前準備や服装を徹底解説」を、面接で聞かれることへの準備は「転職の面接対策しないとどうなる?」も合わせて読んでみてください。

2.任せてよいことと、自分で決めること

0円で受けられる支援は、思ったより広いです。代行してもらえるのは、次の範囲です。

  • 応募書類の添削
  • 企業ごとの面接対策
  • 推薦文の作成
  • 面接日程の調整
  • 年収交渉
  • 入社日の調整
  • 内定辞退の連絡

面接対策では、過去に聞かれた質問や面接官が見ている点を教えてもらえることもあります。ここまで全部が無料です。

ただし、任せきりは避けてください。年収交渉なら、最低希望年収、希望入社日、譲れる条件と譲れない条件を先に自分で決めておく。決めずに投げると、担当者は「決まりやすい線」で調整します。面接後に伝え漏れがあったと感じたときも、早めに共有すれば企業へ補足してもらえる場合があります。

内定が出たら、給与、入社日、雇用形態、試用期間、勤務地、配属先を確認します。最後に入社を決めるのは自分です。承諾期限までに不明点を全部洗い出して、担当者にぶつけてください。

サービスの全体像から確認しておきたい方は「転職エージェントとは?仕組みや利用方法をわかりやすく解説」もどうぞ。

企業が払う成功報酬はいくらか

企業が転職エージェントに払うのは、採用が決まったときだけ発生する成功報酬です。求人を出しただけ、面接しただけでは1円もかかりません。

リクルートエージェントの仕組み

引用元リクルートエージェント公式サイト

採用できなければ企業の支出もゼロ。企業から見ると「採用できたときにだけ払う外部採用費」という位置づけです。

1.相場は理論年収の30~35%

成功報酬の目安は、入社する人の理論年収の30~35%です。リクルートが企業向けに出している解説でも、料率は「35%の設定が一般的」で、採用難易度が高い職種は35%以上になることもあると書かれています。

料率30%と35%で、実際の金額がどう変わるかを並べます。

オファー年収 料率30%の場合 料率35%の場合
年収300万円 90万円 105万円
年収500万円 150万円 175万円
年収700万円 210万円 245万円
年収1,000万円 300万円 350万円

年収500万円の人を1人採用すると150万円から175万円。社員数の少ない会社には軽くない出費です。これだけの金額が動いていると知っておくと、担当者が入社を勧めてくる理由も、内定承諾を急がされる場面がある理由も、だいたい説明がつきます。

2.料率は職種と採用の難しさで変わる

同じエージェントでも、求人によって料率は違います。動かしているのは「その人を採るのがどれだけ難しいか」です。

IT、金融、コンサルティングのように採用競争が激しい領域では、35%を超える設定も出てきます。有資格者しか就けない職種、経験者の母数が少ない職種も同じ方向です。反対に、応募が集まりやすい職種は料率が低めに落ち着きます。企業側からすると、採りにくい人ほど1人あたりの単価が上がる仕組みです。

求職者にとってここは他人事ではありません。自分の経歴が「採りにくい側」に入っているなら、エージェント経由の求人が届きやすく、担当者も時間をかけてくれます。逆に応募が集まりやすい職種で、しかも年収を下げる方向の希望を出していると、エージェント側の売上につながりにくいぶん、提案が薄くなることがあります。

3.理論年収に含まれるもの、含まれないもの

成功報酬は「理論年収×料率」で計算します。理論年収とは、その条件で1年間働いた場合に見込まれる年収のことです。

項目 中身 理論年収に
基本給 試用期間終了後の基本給×12カ月 含む
固定残業代 毎月決まって支払われるみなし残業代×12カ月 含む
賞与 賞与算定基準額×支給月数 含む
各種手当 住宅手当、家族手当、資格手当などの合計×12カ月 含む
通勤交通費 税務上は非課税で、年収の計算に乗せない 含まない
変動する残業代 実績で増減する時間外手当 含まない
インセンティブ 実績で変動する成果報酬。含める企業もある 含まないことが多い

区分けの根拠は、リクルートが企業向けに公開している手数料の解説に沿っています。

ここは求職者にも関係します。基本給を低くして手当を厚くした提示と、基本給が高い提示では、理論年収が同じでも賞与や退職金の計算基礎が変わるからです。オファーが出たら提示額の総額だけで判断せず、基本給がいくらで賞与は何カ月分想定なのか、内訳まで必ず聞いてください。この2つを押さえておくだけで、入社後に「話が違う」と感じる確率はぐっと下がります。

4.費用が発生するのは入社した日

成功報酬が確定するのは、内定が出た時点でも、承諾した時点でもありません。入社日です。請求書が企業に届くのは入社月の月末か翌月というのが一般的な流れで、その日を迎えるまでエージェント側の売上はゼロのままです。

担当者が入社日までフォローを続けるのは、そこまでが仕事として残っているからで、内定承諾後に連絡が急に丁寧になったとしても不自然な話ではありません。

5.成功報酬型ではない契約もある

ここまでが成功報酬型の話ですが、これがすべてではありません。経営層や希少な専門職の採用では、企業が依頼した時点で着手金を払い、残りを入社時に精算するサーチ型(リテーナー型)が使われます。着手金は採用できなくても戻らない契約が一般的です。

求職者から見ると、この形の求人はエージェントが1社に絞って候補者を探しているぶん、届く件数は少なく、1件あたりの説明は濃くなります。ヘッドハンターから直接連絡が来るタイプの求人は、この契約であることが多いです。

6.料率の天井は理論年収の50%、上限制を選べば賃金の11%

相場とは別に、天井もあります。有料職業紹介の手数料は、上限制手数料と届出制手数料のどちらかを選ぶ仕組みで、いまの転職エージェントはほぼ届出制です。

届出制は、厚生労働大臣に届け出た手数料表の額を徴収する方式です。法律が数字で上限を書いているわけではありませんが、実際に各社が届け出ている手数料表には、紹介手数料が求職者の賃金の50/100を超える場合は50/100を限度とする、という注記が入っています。リクルートの企業向けの解説でも、料率は理論年収の最大50%まで設定できるが35%が一般的、と説明されています。50%の枠のなかで各社が30~35%に落ち着けている、という順番です。

数字で上限が決まっているのは、もう一方の上限制のほうです。こちらは支払われた賃金額の11.0%(免税事業者は10.3%)まで。同じ人が6カ月を超えて雇用されたときは、6カ月間の賃金額を基準にした同率まで。期間の定めのない雇用契約で6カ月を超えたときだけ、臨時の賃金と賞与を除いた額の14.8%(免税事業者は13.9%)と比べて大きいほうを取れます(厚生労働省「紹介手数料の最高額の改正について」)。

手数料表と返戻金制度は各社に情報提供の義務があり、厚生労働省の人材サービス総合サイトから事業者ごとに確認できます。気になるエージェントがあれば、実際の料率まで見に行けます。

求人広告より高いのに、企業が転職エージェントを使う理由

1人あたりの単価だけを比べると、求人広告や自社の採用サイトのほうが安く済みます。それでも企業が100万円単位の手数料を払うのは、広告では届かない相手に届くからです。

1.求人広告は出した時点で固定、エージェントは決まったときだけ

同じ採用でも、費用の出方がまるで違います。求人広告は掲載を決めた時点で金額が確定し、1人も採用できなくても支払いは残ります。エージェントは入社が決まるまで0円で、決まれば理論年収の3割前後。単価はエージェントのほうが明らかに高い。

金額を置いて比べると、境目がはっきりします。リクルートが企業向けに出している試算では、理論年収500万円の人を料率35%で10名採用すると手数料は1,750万円。同じ1年を求人広告でまかなうと、2週間80万円の出稿を24回続けて1,920万円かかる計算です。この条件だと、広告で13名以上採れれば広告のほうが割安になり、10名で止まれば割高になります。

つまり企業が見ているのは単価ではなく、「その金額で本当に採れるか」のほうです。広告は出しただけでは1人も採れない可能性が残りますが、エージェントは採れなければ請求が立ちません。

それでも選ばれるのは、応募を集める段階ではなく、条件に合う人を探して選考まで運ぶ段階に費用を払っているからです。企業がその高い単価と引き換えに何を買っているのかは、次の3つに分かれます。

2.条件に合う人だけを探してもらえる

企業は、経験職種、スキル、年収帯、入社時期、人物面の条件をエージェントに伝え、エージェントはその条件で登録者の中から候補を絞り込んで求人を案内します。

求人広告でも応募数は集まります。ただ、条件に合う人ばかりとは限らず、採用担当が1件ずつ書類を確認する負担も膨らみます。採用人数が1~2名の求人や専門性の高い求人でエージェントが使われるのは、この絞り込みに費用を払っているからです。

3.非公開で募集できる

新規事業、管理職の交代、欠員補充、競合に知られたくないポジション。求人サイトに載せにくい採用は珍しくありません。エージェント経由なら、条件に合う求職者にだけ求人票を出せます。

求職者側から見ると、これが非公開求人です。転職サイトや企業の採用ページには出ていない案件を見られるため、サイトだけで探している方は、エージェントを1社挟むだけで候補の幅が変わります。

4.選考の調整と候補者フォローを任せられる

面接日程の調整、合否連絡、条件確認、内定承諾までのやり取り。この部分をエージェントが引き受けます。採用担当が全部を自前でやると、書類確認と日程調整だけで日が過ぎていきます。

求職者にも効きます。給与の内訳、入社日、残業の実態のように直接は聞きにくい話を、担当者経由で確認できるからです。応募時に推薦文を添えてもらえるのも、職務経歴書だけでは伝わらない経験や転職理由を補う手段になります。

早期退職したら費用はどうなるか

「すぐ辞めたら、紹介手数料を自分が払わされるのでは」。ここを気にする方は多いのですが、求職者への請求はありません。

1.求職者に違約金は発生しない

転職エージェント経由で入社したあとに早期退職しても、求職者が成功報酬を返す義務はありません。手数料のやり取りは企業とエージェントの間の契約で、求職者はその契約の当事者ではないからです。

試用期間中でも、入社1週間でも同じです。

2.返金は企業とエージェントの間で起きる(返戻金制度)

早期退職が起きたとき、エージェントが企業へ手数料の一部を返す取り決めを「返戻金制度」といいます。在籍期間で段階を分けるのが一般的で、リクルートが企業向けに出している例では、保証期間を90~180日として、次のように設定されています。

入社してから辞めるまで 企業へ返る割合の例
1カ月以内 80%
1カ月以上3カ月以内 50%
3カ月以上6カ月以内 10%

条件はエージェントごとに違うので、この表はあくまで一例です。

知っておくとよいのは、この制度を設けること自体は法律上の義務ではないという点です。義務なのは、制度があるかどうかと、その内容を明示・情報提供すること。2024年4月からは、事業所内の掲示に代えて自社サイトなどでの情報提供も認められています。

求職者の財布は痛みません。ただし、返戻金の対象期間内に辞められると企業もエージェントも損をするため、入社後しばらくは双方から様子を聞かれることがあります。裏を返せば、入社から3カ月ほどは担当者に相談しやすい時期でもあります。

3.入社前に確認しておきたい6項目

早期退職は、次の転職活動で必ず理由を聞かれます。防ぐなら入社前です。承諾する前に、次の6つを担当者経由で確認してください。

  • 仕事内容
  • 評価制度と昇給の決まり方
  • 想定される残業時間
  • 配属部署と直属の上司
  • 給与の内訳
  • 試用期間の条件

あいまいな返事しか返ってこない項目があるなら、そこが入社後に食い違いやすい箇所です。担当者が答えられないようなら、企業担当から確認してもらえるか聞いてみてください。ここで粘るかどうかで、入社後の納得感が変わります。

「転職エージェントは使うな」と言われる理由は費用の仕組みにある

検索していると「転職エージェントは使うな」「やめとけ」という言葉に当たります。感情的な批判も混じります。ただ、成功報酬という仕組みから筋道立てて説明できる部分は確かにあって、そこを知っておくと付き合い方が変わります。仕組みから来る弱点を先にまとめて知りたい方は「転職エージェントのデメリットは?注意点と活用方法を解説」もどうぞ。

1.成功報酬型だから起きる利害のずれ

エージェントの売上が立つのは、求職者が入社したときだけです。相談に何時間乗っても、入社に至らなければ0円。この構造がある以上、「入社してほしい」という動機は必ず働きます。

これ自体を悪だとは思いません。企業も同じ条件で費用を払っています。ただ、求職者の「もう少し考えたい」と、エージェントの「今期中に決めたい」がずれる場面はあり、僕はこの温度差を最初から前提に置いて付き合うのがいちばん現実的だと考えています。

2.担当者の給料も、この成功報酬から出ている

エージェントの売上は、企業から受け取る成功報酬がほぼすべてで、そこから会社の運営費も人件費も出ています。多くの会社が個人にインセンティブを設定していて、決定した人数や決定年収の合計に応じて支給額が変わる形が一般的です。目標の締め日が近づくと連絡が増えるのは、この評価制度と無関係ではありません。

担当者の収入構造まで分かっていると、提案の温度感の理由が読めます。具体的な金額感は「転職エージェントの年収と賞与はいくらか?インセンティブや成功報酬などを徹底解説」にまとめました。

3.内定が出やすい求人や、年収の高い求人に寄りやすい

担当者によっては、希望よりも「選考に通りやすい求人」を多めに出してきます。例えば、営業を4年やってきた方に現職とほぼ同じ仕事内容で年収も横ばいの求人ばかり届くなら、悪い求人とは限らないにせよ、短期で決まる線を優先している可能性はあります。

もう一方向が年収です。成功報酬は年収に比例するので、年収1,000万円の求人が決まれば手数料は300万円前後。担当者の評価にも直結します。

4.年収を下げる転職ほど、エージェント側の売上は小さくなる

ここは費用の仕組みがそのまま出るところです。手数料は理論年収に比例するので、年収を100万円下げる転職は、エージェントの売上も30万円前後下がります。年収を上げたい方とは利害が一致しますが、年収を少し落としてでも労働時間を減らしたい、未経験の職種に移りたいという希望は、エージェント側の売上につながりにくい方向です。

だから、最初に言い切ってください。「年収は現状維持で構わない、残業時間を優先する」と面談で伝えておけば、提案の中身は変わります。優先順位をはっきり出した相手には、担当者も条件を絞って探せるからです。

届いた求人に対しても、「なぜこの求人を選んだのか」「自分の希望のどこに合っているのか」を聞く。答えが具体的に返ってくるなら、信用してよい担当者です。あいまいなら、その求人は見送って構いません。

5.担当者によって結果が変わる

満足度を左右するのは、サービス名よりも担当者です。連絡が遅い、希望と違う求人が続く、応募を急がせる、質問への回答が薄い。どれかに当てはまるなら、担当変更を申し出て構いません。よくある依頼です。

専門職やハイクラスの転職では、担当者が業界をどこまで理解しているかが求人の質にそのまま出ます。面談の場で、担当領域、これまでの支援例、応募先企業の採用担当と直接話したことがあるかを聞いておきましょう。

6.転職エージェントを使わない方がいい人

自分のペースで探したい方、応募先を全部自分で決めたい方、企業と直接やり取りしたい方には、転職サイトや企業の採用ページからの応募のほうが合います。エージェントを挟むと、応募のタイミングも面接日程も担当者経由になるからです。

反対に、非公開求人も見たい方、書類と面接の改善点を知りたい方、条件交渉を任せたい方には使う価値があります。判断がつかない方は「転職エージェントは使わない方がいい?やめとけと言われる理由と活用方法を徹底解説」も読んでみてください。

無料で利用できるおすすめ転職エージェント

無料で使える転職エージェントの中から、僕がまず候補に挙げる4社を紹介します。

リクルートエージェント、doda転職エージェント、マイナビ転職エージェント、type転職エージェント。名前を聞く大手も、求職者側の利用料はいずれも0円です。登録時に料金プランを選ぶ場面もありません。

選ぶ基準は、知名度より中身です。求人数、得意な年齢層、対応エリア、担当者の専門性。初めての転職なら、大手を1~2社と、希望職種に強い特化型を1社。並べて登録すると、同じ経歴を出しているのに届く求人がまるで違うことが分かります。

年代や職種でどう選び分けるかは「転職エージェントの選び方|タイプ別・年代別の基準と担当者の見極め方を解説」で整理しています。

1:リクルートエージェント

リクルートエージェント

口コミ:リクルートエージェント 評判を確認

おすすめ度:★★★★★
公開求人数:780,000(2026年8月31日現在)
求人数増減:±0(先週比→keep)
【公式サイト】https://www.r-agent.com/

おすすめ転職エージェントの一番手は『リクルートエージェント』です。

リクルートエージェントは、幅広い業界・職種の求人を扱う大手転職エージェントで、公開求人に加えて非公開求人も確認したい方、まずは求人の選択肢を多めに見たい方に向いています。

面談後は、担当キャリアアドバイザーから求人紹介を受けられます。希望条件が広い方は求人が大量に届くこともあるため、年収、勤務地、仕事内容、転職時期の優先順位を最初に伝えておきましょう。

リクルートエージェントの評判については「【評判】リクルートエージェントの口コミを公表データと規約で検証」でご紹介しています。

出典:公式サイト

2:doda転職エージェント

doda

口コミ:doda 評判を確認

おすすめ度:★★★★★
公開求人数:30万件以上(2026年8月31日現在)
【公式サイト】https://doda.jp/

次におすすめする転職エージェントは『doda転職エージェント』です。

dodaは、求人検索、エージェントサービス、スカウトサービスをまとめて使える転職サービスで、自分でも求人を探しながら担当者からの紹介も受けたい方に合う可能性があります。

初めての転職では、職務経歴書の作り方で迷います。doda転職エージェントなら、キャリアアドバイザーとの面談で応募書類も選考対策も相談できます。

大手サービスの求人を比べたい方は、リクルートエージェントとあわせて登録し、紹介される求人の違いを見てみるのがおすすめです。

出典:公式サイト

3:マイナビ転職エージェント

マイナビ転職エージェント

口コミ:マイナビ転職エージェント 評判を確認

おすすめ度:★★★★★
【公式サイト】https://mynavi-agent.jp/

3つ目におすすめする転職エージェントは『マイナビ転職エージェント』です。

マイナビ転職エージェントは、若手層や初めて転職する方に向けた支援に強みがある転職エージェントです。公式サイトでは、2026年オリコン顧客満足度調査の転職エージェントで4年連続総合第1位と紹介されています。

キャリアアドバイザーに加えて、企業担当から求人票だけでは分かりにくい情報を聞ける場合があるので、職場の雰囲気、選考で見られる点、配属先の様子を知りたい方は面談時に確認してください。

※マイナビのプロモーションを含みます
出典:公式サイト

4:type転職エージェント

type転職エージェント

口コミ:type転職エージェント 評判を確認

おすすめ度:★★★★・
公開求人数:11,003(2026年8月31日現在)
求人数増減:-119(先週比↓down)
【公式サイト】https://type.career-agent.jp/

4つ目におすすめする転職エージェントは『type転職エージェント』です。

type転職エージェントは、一都三県を中心に、ITエンジニア、Web、営業、ハイクラス領域などの求人を扱う転職エージェントです。

首都圏で転職を考えている方や、職種をある程度絞って相談したい方には合う可能性がありますが、全国の求人を幅広く見たい方は大手総合型の転職エージェントと併用して比べてください。

キャリア相談、応募書類の添削、面接対策、入社前の条件確認まで相談できるため、首都圏で転職活動を進めたい方におすすめです。

出典:公式サイト

転職エージェントの費用に関するよくある質問

転職エージェントの費用や利用に関するよくある質問をまとめておきます。

Q:転職エージェントは本当に無料ですか?お金はどこから出ているのですか?

A:無料です。職業安定法で求職者からの手数料徴収が原則禁止されているため、一般的な正社員向けの転職エージェントなら、登録から内定後の条件交渉まで料金は発生しません。運営費は、採用が決まったときに企業が払う成功報酬でまかなわれています。

Q:複数の転職エージェントに登録しても費用はかかりませんか?

A:かかりません。何社に登録しても、それぞれで面談を受けても、求職者への請求はありません。企業が成功報酬を払うのは、実際に入社が決まった1社のエージェントだけです。

同じ求人に複数のエージェントから応募すると企業側で重複と扱われるので、応募先が重ならないよう、どの求人にどこから応募したかだけは自分で管理してください。使い分け方は「転職エージェントは複数登録すべき?」で詳しく書いています。

Q:成功報酬を求職者が負担することはありますか?

A:一般的な正社員の転職ではありません。成功報酬は企業とエージェントの間の契約で、求職者は当事者ではないからです。

求職者から手数料を取れる例外は、職業安定法施行規則で芸能家、モデル、経営管理者、科学技術者、熟練技能者の5つに限られていて、後ろの3つは年収700万円を超える場合だけ。しかも上限は就職後6カ月以内の賃金の11%です。営業や事務、ITエンジニアの求人紹介で個人に成功報酬を請求されることはありません。

Q:転職サイトも無料ですか?転職エージェントと料金の仕組みは違いますか?

A:転職サイトも求職者は無料です。求人検索も応募もスカウトの受け取りも料金はかかりません。違うのは企業側の払い方で、転職サイトは求人を掲載した時点で掲載料が発生します。1人採用できても、1人も採用できなくても金額は同じです。

エージェントは決まったときだけ払う。この差が、届く求人の量と絞り込みの精度に出ます。自分で幅広く見たいなら転職サイト、条件に合うものを選んで持ってきてほしいならエージェント、という分け方でおおむね合っています。

Q:途中で退会したり内定辞退した場合、違約金などはかかりますか?

A:かかりません。登録、面談、求人紹介、応募、内定辞退、退会のいずれの段階でも、求職者に請求は来ません。内定を断ること自体も問題ありません。

ただし、内定承諾後の辞退は企業と担当者の双方に影響が出ます。迷っている理由があるなら、承諾する前に担当者へ伝えてください。断るときも、年収、仕事内容、勤務地、働き方、入社時期のどこが合わなかったのかを具体的に共有しておくと、次に届く求人の精度が上がります。

Q:転職後に早期退職した場合、違約金はかかりますか?

A:かかりません。早期退職時に返戻金が発生する場合でも、それは企業とエージェントの間の契約上の取り決めなので、転職者に請求が回ることはありません。詳しくは本文の「早期退職したら費用はどうなるか」で説明しています。

Q:企業が手数料を払うと、選考で不利になりますか?

A:不利になると決めつける必要はありません。企業は採用費として手数料を見込んだうえで求人を出しています。

一方で、同じ職種に直接応募の枠とエージェント経由の枠が両方ある場合、企業の採用方針や選考ルートが違うことはあります。気になるなら、担当者に「この求人はエージェント経由で応募するメリットがありますか」と聞いてください。

Q:年収が下がる転職でも、エージェントは相手にしてくれますか?

A:相談はできます。ただ、手数料が理論年収に比例する以上、年収を下げる転職はエージェント側の売上が小さくなる方向です。提案の量や踏み込み方に差が出ることはあります。

効くのは、下げてでも取りたいものを言葉にしておくことです。残業時間、勤務地、職種転換のどれを優先するのかを面談で先に伝えると、担当者はその条件で求人を絞れます。年収以外の軸を出さないまま「年収は下がっていい」とだけ言うと、提案の方向が定まりません。

Q:転職エージェントは儲かる仕事なのですか?

A:1件あたりの単価は大きいものの、決まらなければ売上がゼロという商売です。年収500万円の人が1人決まって150万円前後、そこから会社の運営費も人件費も出ます。

担当者個人の収入は、決定人数や決定年収に応じたインセンティブで変わる会社が多いです。金額の目安は本文の「担当者の給料も、この成功報酬から出ている」で触れています。

Q:有料のキャリア相談と無料の転職エージェントは何が違いますか?

A:転職エージェントは、求人紹介と選考支援を前提にした無料サービスです。企業から成功報酬を受け取るため、提案は紹介できる求人の範囲に収まります。

有料のキャリア相談やキャリアコーチングは、求人紹介を前提としません。自己分析やキャリア設計そのものを相談する形です。転職するかどうかから迷っている方や、求人を見る前に方向性を決めたい方は、こちらも比較対象になります。

まとめ

転職エージェントの費用を払うのは、採用した企業です。金額は入社する人の理論年収の30~35%が目安で、発生するのは入社日を迎えたとき。求職者側は、登録から退会まですべて0円で、早期退職しても違約金はありません。

これだけの金額が動くからこそ、担当者の提案には企業側とエージェント側の事情も乗ります。紹介された求人を、そのまま全部受け取る必要はありません。

見るべきは、求人数の多さよりも、担当者が希望条件を正確に理解しているか、紹介理由を自分の言葉で説明できるか、入社後の条件まで確認してくれるかどうかです。転職サイトと転職エージェントを併用して、応募ルートごとに届く求人の違いを自分の目で確かめてください。

執筆者・監修者のmotoについて

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起業家・著述家(Wikipedia)。実名は戸塚俊介。広告・人材・IT業界など8社へ転職。副業でmoto株式会社を起業し、上場企業へM&A。現在はHIRED株式会社(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313037)代表取締役。著書:『転職と副業のかけ算』(扶桑社)、『WORK』(日経BP)

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